2010年10月06日

オニキスの取れたシルバーのリングの修理

石が取れたリングの修理です。

シルバーのリングにオニキスが留まっていたのが取れて無くなってしまったみたいです。


そこで5mm×7mmのオニキスを取り寄せて石留めします。

まずは修理前
オニキスが取れたシルバーリングの修理01.JPG

ふくりん留めされてたみたいですが爪の高さが足りない気がします。
接着剤で着いていた様子はありません。

薄い石だったのかな?

オニキスが取れたシルバーリングの修理02.JPG

このままでは新しい石を留めてもまた取れてしまうかもしれません。

もしくはちゃんと留める事も出来ないかも知れません。

そこで枠の内面を削り、石がもう少し沈むようにしました。
爪が削れて薄くならない様に底の座の部分を削っていきます。

オニキスが取れたシルバーリングの修理03.JPG

取り寄せたオニキスを見ると側面が平らに近く高さもあります。

これでは爪の掛かりが悪いので少し削って爪の掛かりが良くなるようにしました。

左が削ってないオニキス、右が側面を少し削ったオニキスです。

普通は石に合わせて枠を造るのでこのような石を削る事はしません。

石が枠にきれいに入るように石合わせをしたらいよいよ石留めします。

オニキスが取れたシルバーリングの修理04.JPG

だるまと呼ばれる彫刻台に指輪を固定したらたがねで叩いていきます。

全体を均等に少しずつ叩いていきます。

石に爪が隙間無くぴったりとくっ付くまで爪を倒します。

オニキスが取れたシルバーリングの修理05.JPG

何度も何度も確認をしてまったく石が動かなければ石留め終了です。

その後は磨いて行きます。

オニキスが取れたシルバーリングの修理06.JPG

無事終了です。
これなら石が取れることはもう無いと思います。


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2010年10月04日

10年前に造ったブルーダイヤの結婚指輪のサイズ直し

友人から電話があり、結婚指輪がきつくて抜けなくなったと言われました。

石鹸をつけて無理やり抜いたからサイズを大きくしてほしいとの事。

10年間つけっぱなしだったので指が指輪の形にクッキリと凹んでいるというので、
数週間様子見て指が元に戻ってきたらサイズを測りに来るように言いました。

数週間後、友人がやって来ました。

まだ、指に凹みは残っていましたがサイズ直しと爪交換をする事になりました。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換01.JPG

こちらが10年前に当店で造ったプラチナのブルーダイヤ結婚指輪です。
少し大きめの綺麗なブルーダイヤを入れた、やや幅広なリングです。

10年経ち、かなりキズだらけになっています。
でも、しっかりした造りなのでほとんど変形はしてませんでした。

作業開始です。
ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換02.JPG

まずはダイヤを外します。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換03.JPG

新しく爪を立てるための穴を開けます。

最初造ったときは彫り留めでしたが、かなり減っているので丸線で爪を作る事にしました。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換04.JPG

サイズを伸ばす為に糸鋸で切り間に地金を挟んでロー付けします。
今回は3番ほど伸ばします。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換05.JPG

続いて爪もロー付けします。

その後はやすりで形を整え、サイズを出します。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換06.JPG

サイズを出したら全体をロータリーヘラでシメます。

ヘラで傷を潰して消す事によりバフがけ等で指輪が軽くなるのを防ぎます。
また、地金が締まるので変形もしづらくなります。

その後はブルーダイヤを留めて、きれいに仕上げます。

仕上がった後にマスキングをして上面に梨地を施します。

もう一度仕上がりを確認してメッキをかけて終了です。

ブルーダイヤ結婚指輪サイズ直しと爪交換07.JPG

なかなか綺麗になりました。
これでまた永く使ってもらえると思います。



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2010年10月02日

ホワイトゴールドのパールリングサイズ直し

K14WGのパールリングのサイズ直しを頼まれました。

サイズ#12から#8へサイズダウンさせます。

修理前
K14ホワイトゴールドのパール指輪サイズ直し01.JPG

大き目の真珠が3個とルビーが3個入っています。

まずはパールを外します。
K14ホワイトゴールドのパール指輪サイズ直し02.JPG

パールは火にも薬品にも弱いので作業するときは外します。
今回はホワイトゴールドなのでメッキが必要なので必ず外さないといけません。


接着剤で着いているので鍋にお湯を入れ煮て接着を取り、外します。



縮めるサイズの分だけ糸鋸で切ります。

K14ホワイトゴールドのパール指輪サイズ直し03.JPG

1番当たり1mmを目安に切ります。
今回は4mmほど切りました。

切り口をくっつけてロー付けします。

メッキの掛かっている物はローが流れないので切り口のまわりを少し削っておきます。

ルビーがついたままなので石綿で保護してロー付けしました。

K14ホワイトゴールドのパール指輪サイズ直し04.JPG

心金でサイズを出し真円になるようにします。
磨いて完成した時にちょうど線の上に掛かるように調節します。
ロー付けの時点で0.2番くらい小さめになっていると丁度良いです。


品物によっては真円にすることが出来ない場合があります。
その場合は少し変形の楕円っぽくなります。

今回は細いリングで上部も影響が出なかったので真円にしても大丈夫でした。

サイズが出たらきれいに磨きます。

そのあとメッキをかけて最後にパールを接着します。
K14ホワイトゴールドのパール指輪サイズ直し05.JPG

無事終了ですわーい(嬉しい顔)


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2010年10月01日

K18コインペンダントバチカン交換修理

修理情報の紹介です。

18金のコインペンダントネックレスの修理をしました。

修理前
K18コインペンダント修理01.JPG

バチカンがすり減って切れそうだから直して欲しいとの事でした。


また、正面から見るとコインの向きが斜めになっています。

K18コインペンダント修理02.JPG

確かにかなり削れてしまっています。チェーンの形にすり減って細くなっています。

まずは裏側の爪を起こしコインを外します。
糸鋸を使いバチカン(チェーンを通す金具)を切り外しました。
本体に傷つけないように注意します。

K18コインペンダント修理03.JPG

外すとクニャっと曲がってしまう程でした。

18金の板から元の金具と同じ様にバチカンを造りロー付けします。

K18コインペンダント修理04.JPG

他の部分のローが溶けたりしない様に石綿で保護して作業します。

ロー付け後は硫酸に浸けて酸化皮膜を取り除きます。

その後、形を整え磨きます。
裏からコインを爪で留めて上げバフで仕上げます。

K18コインペンダント修理05.JPG

無事完成です。
コインの顔も真っ直ぐになりました。わーい(嬉しい顔)


修理中に気がついたのですが・・・
K18コインペンダント修理06.JPG

チェーンの金具もかなりすり減ってしまっていました。
一番端のコマもかなり危険な状態でした。

お客様と相談して、引き輪とプレートと丸カンを新しく交換しました。

これで、切れる心配はなく安心して永く使っていただけると思います。


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2010年08月18日

プラチナのアンクレットの修理 そして反省

先日頼まれた修理です。

PT850のアンクレットが切れたと言う事でした。

品物を見ると・・・

PT850アンクレット修理前.JPG

3ヶ所切れてました。

ボールチェーンはとても切れやすいんですよね。
うちに来るチェーンの修理の中でも一番多いような気がします。

アンクレット修理.JPG

ロー付けです。

3ヶ所なのでつなぐ場所を間違えないように何度も確認しながらロー付けしました。

ボールチェーンは正確には切れるんじゃなくて抜けるんです。
薄い地金の玉に棒が刺さっているだけなんです。
ロー付けされている訳では無いので力が加わると抜けてしまいます。

直す時に出来るだけ抜けたのを元のように差し込むのですが、
一度抜けた物はまた抜けてしまいます。
なのでローで固定するような形で修理します。

PT850アンクレット修理後.JPG

ロー付け後は全体を軽く磨いて終了です。

後日、修理した部分の1ヶ所がまた切れてしまい修理しなおしました。
どうやら、差し込んだ部分が抜けてしまったみたいでした。
当然のことですが無料でやり直しました。

もっと大きなローを流して固めるべきだったのかな?と反省しました。

もちろん不具合が出ないように注意して作業をしてますし、確認や検品もしっかりしています。
それでも当店で加工した後不具合が出た場合には対応致しますのでよろしくおねがいします。


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2010年07月21日

純金リング その2

純金の指輪の修理の続き

ロー付けした後はサイズを出して形を整え磨きます。

って一行で書き終わりますが実際は大変です。

100716_110737.JPG

純金はもともと軟らかく火で炙った為、更に軟らかさが増しています。

そこでロータリーヘラで全体を引き締めます。

当店はロータリーヘラだけでも10種類近く在ります。
状況により使い分けます。

しめ終わったら今度は超硬ヘラで磨いていきます。

100716_111731.JPG

この段階でロータリーヘラの跡を消し全体をなめらかに光らせます。

これは手作業です。

最後に軽くバフをかけて完成です。

100719_203515.JPG

純金はバフをかけると肌荒れを起こしツヤが出ません。

そのためヘラがけの段階でほぼ完成という位まで綺麗にする必要があるのです。

もともとあった深いキズは少し残りました。
磨きすぎて軽くなったり形が変わるのを防ぐためです。


無事終了です。

posted by 二代目 at 19:13 | Comment(0) | 修理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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純金リング

純金の指輪のサイズ直しを頼まれました。

皆さん純金のジュエリーが少ない訳知ってますか?

・高いから
・やわらかいから
・光らない
・傷つきやすい・・・

主な理由は価格と硬度だと思います。

特に硬度は問題で加工もしづらいです。

まずは修理前の写真
100716_095042.JPG

今回は2番伸ばします。

確認したらロー付けの跡があったのでそこを切り地金を挟みました。

100716_103414.JPG

純金の場合、共付けという方法で付ける事が多いのですが、

今回はロー付けしてあったのでロー付けをしました。
(了承を得ています。)


純金を共付けする事が多いのは

1、ロー目がでないから、
2、ローを使うと厳密には純金ではなくなるから

この2つがおもな理由だと思います。

共付けというのは地金を溶かして溶接することをいいます。
ローを流して付けるより難しく最悪指輪自体が溶けてしまう事もありえます。



この後の作業は大変なので手(パー)次回

posted by 二代目 at 10:01 | Comment(0) | 修理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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